イタリアの国際的大女優、ソフィア・ローレン主演の名作。
戦争によって切り離された男女の悲哀映画。
映画内で出てくる、一面に広がるヒマワリの映像。
本来は明るく健やかに見えるはずですが戦争の悲惨なエピソードとヘンリー・マンシーニ作曲の悲しげなメロディで切ない絵に移ります・・・。
今回は映画『ひまわり』のあらすじ・感想とテーマ曲でジャズのスタンダート曲としても演奏される『Sunflower ~ Loss Of Love~』のご紹介です。
※ネタバレを含みます。
あらすじ(内容紹介)
ナポリで幸せな結婚式を挙げたジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)。
だがアントニオは厳冬のソ連戦線に送られ、行方不明になってしまう。
戦後、復員兵から夫の情報を集め、ひとりモスクワを訪ねるジョバンナ。
だが、そこで見たものは、アントニオの新しい妻と可愛い娘の姿だった……!
戦争によって引き裂かれる男女の悲劇を情感豊かに描き、
デ・シーカ監督+ローレン+マストロヤンニのトリオが紡いだ数々の傑作の中でも最も人気の高い感動作! (C)2016 TOHO CO.,LTD.
(Amazonより引用)
序盤は結構、コメディタッチ。
ジョバンナとアントニオは兵役を逃れるために結婚したり、アントニオが精神が病んでるように芝居をしたり・・・。
結局は戦争に行くハメになるのですが(^^;)
ジョバンナは気丈で行動力のある女性。
アントニオが戦争から帰ってこなくても「絶対生きている」と頑なに信じています。
モスクワでアントニオを見つけた際も言いたいことは山ほどあったはずなのに・・・。
妻子がいると判れば何も言わず汽車に飛び乗り帰路につきます。
(汽車の中では大泣きするのですが)
気丈でたくましい女性像がソフィア・ローレンにぴったりマッチして良い感じです。
実際に映画を観るまではジョバンナが失意の中、モスクワを去ったところで話が終わるものと思ってましたが・・・。
まだまだ先がありまして(^^;)
幾分か時が経ち・・・。
アントニオはモスクワでジョバンナと会ってしまったことにより、再び忘れられなくなります。
妻の了承を得て単身でイタリアに帰郷し、ジョバンナを探します。
そしてやっとジョバンナの居場所をつきとめて家まで会いにいきます。
アントニオは謝罪とモスクワで結婚することになったいきさつを話し・・・。
最後は「二人でやり直そう」という雰囲気になります。
しかし、そこで赤ん坊の泣き声が・・・。
そう・・・ジョバンナも既に結婚して子供がいたんですね。
戦争で切り離され、お互い別の恋人ができ、最後に再会する・・・。
話の展開でいえば少し『シェルブールの雨傘』と似てます。
シェルブールの雨傘【美しい音楽で彩られた悲しい恋の物語】映画感想とジャズでの名演奏5選
『シェルブールの雨傘』の結末の再会はどこか昔の恋人にあったような「よそよそしい感じ」でしたが本映画『ひまわり』の場合は「未だに愛し合っている感じ」なのでストレートに悲哀感が出てます。
Sunflower ~ Loss Of Love~
本映画『ひまわり』の主題歌は名曲の多いヘンリー・マンシー作曲の中でも人気の高い作品です。
1970年の映画ですのでモダンジャズの黄金期が過ぎている頃。
なのでいわゆる名盤に収録されている演奏がある訳ではないですが、近代のジャズミュージシャンに演奏される機会も多いです。
松本英彦
日本のモダンジャズ創成期から活躍していたテナーサックス奏者。
テナーサックスの哀愁漂う音色がマッチしてます。
Joe Locke
ビブラフォンの煌びやかな響きで演奏しても良いですね。
ちなみにビブラフォンとは鉄琴のことです(^^;)
Monica Mancini
女性ボーカルです。
モニカ・マンシーニは作曲者のヘンリー・マンシーニの愛娘です。
堤智恵子
現在も活躍するサックス奏者の堤智恵子さんのソプラノサックスでの演奏。
高音域のソプラノサックスも女性らしさが出て良い感じです。
まとめ
ある程度、内容を知ったうえで観た映画でしたが・・・。
さすが名作と言われるだけあって心に染みる作品でした。
戦争の悲哀を描いたという意味では先ほども述べましたが『シェルブールの雨傘』と共通点がありますが、こちらはミュージカル映画。リアルに悲しさが伝わってくるのは本作品の方か・・・。
またソフィア・ローレンの存在感がすごいです!
正直、この方の出演する映画を観たのは初めてですが(^^;)美人でグラマーというだけでなく、人を惹きつけるオーラを持った女優さんですね。
そして主題歌の『Sunflower ~ Loss Of Love~』。
4つの演奏をご紹介しましたがどれもテーマ部分は原曲に忠実に、アドリブ部分も実にメロディアスに演奏されています。
もとのメロディが美しいだけにやはり原曲を活かす方向の演奏になるんでしょうね~。
40年以上も前の映画ですが、観たことのない方は是非(^^)
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