おすすめジャズのトランペット編です。
トランペットといえばジャズの花形!「明るく陽気な演奏」「キザでオシャレな演奏」「クールでカッコ良い」演奏・・・。
ミュージシャンによって個性は様々。
初心者の方でも聴きやすい曲をチョイスし、おすすめジャズトランぺッターとその演奏をご紹介します。
おすすめジャズトランぺッター① ルイ・アームストロング
Mack The Knife
サッチモの愛称で親しまれるジャズにおける伝説的ミュージシャン。
1940年代のビ・バップから始まるモダンジャズが流行る遥か前から活躍し、1960年代ポップスが台頭しジャズが下火になってからも活躍し続けました。
サッチモは『この素晴らしき世界』のボーカルがとても有名ですが今回はトランペットを取り上げてますので『マック・ザ・ナイフ』の演奏をお聴きください。
この曲は『三文オペラ」というミュージカルの劇中歌でジャズのスタンダード曲として大ヒットし数々のジャズミュージシャンに演奏されてきました。
コード進行もシンプルなのでジャムセッションの初心者用の曲としても良く演奏されます。
おすすめジャズトランぺッター② ディジー・ガレスピー
A Night In Tunisia
上方向に曲がったトランペット、演奏中は頬をいっぱいに膨らませる様は個性のかたまり。1940年代、チャーリーパーカーとともにビ・バップを築いたミュージシャンです。
チャーリーパーカーに負けず劣らず華やかなアドリブでジャズファンを魅了し続けました。曲は彼の代表曲でジャズのスタンダード曲の中でもとりわけ有名な『チェニジアの夜』。チャーリーパーカーとの共演でビ・バップの神髄をご堪能ください。
おすすめジャズトランぺッター③ マイルス・デイヴィス
Round Midnight
私のブログで幾度も登場しているジャズの帝王。
モダンジャズ以降のジャズの歴史は彼の歴史と言っても過言ではないくらい影響力のあったミュージシャンです。
マイルスはトランぺッターとしても勿論ですがバンドリーダとしての手腕も確かで、彼に才能を見出されて彼のリーダーバンドに参加し、後に大成功したジャズミュージシャンは数知れず。
帝王と呼ばれる所以の一つです。
マイルスの演奏の特徴はクールそのもの。
研ぎ澄まされた音色で決して多くの音を奏でない演奏スタイルはシンプルに聴こえますが洗練されたカッコ良さも同時に感じます。
クールな演奏には夜が似合う・・・。
『ラウンド・ミッド・ナイト』でお楽しみください。
おすすめジャズトランぺッター④ クリフォード・ブラウン
Stardust
25歳の若さで交通事故によりこの世を去った天才トランぺッター。
卓越した技術、歌心溢れるセンスを併せ持つジャズトランぺッターでモダン・ジャズ以降、トランペットの演奏で彼に並ぶ者は皆無と言われたほど。
また当時のジャズミュージシャンとしては珍しくドラック(麻薬)にも手を出さず人格者としても有名でした。
そんなクリフォード・ブラウンだったので交通事故で亡くなった時の衝撃は相当なものだったと察します。
盟友のテナー・サックス奏者のベニー・ゴルソンは彼を偲び「クリフォードの想い出」という曲を作り、現在でもスタンダード曲としてジャズファンに愛されています。
クリフォード・ブラウンはジャズドラマーのマックス・ローチとのバンドが有名ですが今回は初心者向けなので『スターダスト』の演奏をご紹介します。
『スターダスト』はピアニストであり作曲家のホーギー・カーマイケルの作曲。
ちなみに先に紹介したサッチモもマイルスもホーギー・カーマイケルも、人気のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』で主人公のセブが映画中に語るシーンがあるミュージシャン達です・・・余談ですが(^^;)
おすすめジャズトランぺッター⑤ リー・モーガン
Candy
とにかくカッコ良い!
拙い表現で恐縮ですが(^^;)
トランペットの演奏がこんなにカッコ良いものかと再認識させてくれたのがリー・モーガンの演奏でした。
演奏もカッコ良いのですが・・・。
私生活でも結構、派手に遊んでいたのかもしれません。
何せ死因が愛人に射殺ですから(^^;)
8ビートをジャズに取り入れ、大ヒットした『The Sidewinder』、先に紹介したテナーサックス奏者のベニー・ゴルソンが作曲した『クリフォードの想い出』などの演奏も有名ですが、私が是非、一番先に聴いていただきたいのがこの『Candy』です。
おすすめジャズトランぺッター⑥ チェット・ベイカー
But Not for Me
ウエストコースト・ジャズの代表的なトランぺッター。
トランペットの演奏だけでなくボーカルとしても人気を博しました。
サッチモもガレスピーもそうですけどトランぺッターはボーカルも得意とする方が多いですね。
チェット・ベイカーの場合はジャズ特有のブルージィなボーカルでなく中性的な声でアンニュイな感じで歌います。
トランペットも歌も出来て、しかもイケメン。
1950年半ばまではマイルス・デイビスをも凌ぐ人気でしたが、1950年後半からはヘロインに溺れ、そこから転落人生を歩みます。
昨年、彼の人生を描いた映画が上映されてました。
borntobeblue.jp”>映画『ブルーに生まれついて BORN TO BE BLUE』オフィシャルサイト
私は見損ねたのでDVD化されるまで待ちます(^^;)
今回ご紹介する曲は『But Not for Me』
彼のトランペットの演奏、中性的なボーカルの両方を堪能できます。
おすすめジャズトランぺッター⑦ ケニー・ドーハム
Autumn In New York
ビ・バップの代表的なトランぺッター。
チャーリーパーカーをはじめとした数多くの有名ジャズミュージシャンのサイドマンとして活躍しました。
クリフォード・ブラウンの死後、後継としてマックス・ローチのバンドに入ったのも彼ですね。
派手さはないが叙情的な演奏を信条とした「聴かせる演奏」をするトランぺッター。
作曲もしていてテナーサックス奏者のジョー・ヘンダーソンのアルバム『ページ・ワン』に収録された曲『ブルーボッサ』はジャズのスタンダード曲として有名です。
『Autumn In New York』を彼の哀愁漂う演奏で聴いてください。
おすすめジャズトランぺッター⑧ フレディ・ハバード
You And The Night And The Music
驚異的なテクニックを持つトランぺッター。
モダンジャズの時代からジャズフュージョンが主流になる1970年代以降も末永く活躍しました。
どの時代でも彼の完璧なテクニックは際立っています。
本来はフレディのリーダーアルバムこそ、彼の真骨頂が堪能できるとは思うのですが、初心者の方向けに記事を書いてますので今回はジャズピアニストのビル・エバンスのリーダーアルバムから『あなたと夜と音楽と』を紹介したいと思います。
ビル・エバンスはインタープレイを信条としたミュージシャンなのでフレディは完全に主役ではないながらもきっと彼の演奏の素晴らしさも伝わるはず・・・。
おすすめジャズトランぺッター⑨ アート・ファーマー
Killer Joe
日本で人気の高いソニー・クラークのリーダーアルバム『クール・ストラッティン』(女性の足の部分の写真がジャケットになってるやつ)にも参加しているジャズトランぺッター。
演奏スタイルに派手さはないものの真面目な性格で真剣に音楽と向き合う姿勢から、他のミュージシャンからの信頼は厚く、1953年に初のリーダーセッションを行った後、1990年代まで末永く活躍しました。
今回、ご紹介するのはテナーサックス奏者ベニー・ゴルソンとの双頭バンド、ジャズテットのアルバムから『Killer Joe』。
この曲は以前、本ブログでご紹介したことのある映画『ターミナル』でも使われた、とてもカッコ良い曲です!
この映画の最後のシーンでベニー・ゴルソンご本人が出てきました。
そして今回の記事にも至るところでベニー・ゴルソンの名が出てきますね~(^^;)
おすすめジャズトランぺッター⑩ ウィントン・マルサリス
Caravan
音楽一家に生まれ、ジャズミュージシャンでありながらクラッシクも演奏してしまう稀有な存在。
ジャズもできる、クラッシクもできる、作曲もできる・・・。
同年にジャズとクラシック両部門でグラミー賞をとるような凄い方なのですが・・・。
何故かアンチも多いようで(^^;)
何でも出来過ぎてしまうのも魅力がないのでしょうか!?
とは言っても現代における最高のトランぺッターの一人であることは誰もが認めるところでしょう。
今回は『Caravan』を。
この曲は鬼教師とジャズドラマーを目指す若者との交流を描いた映画『セッション』の最後のシーンで演奏した曲です。
そういえばこの映画も一部のジャズ好きの方には評価が低い映画だったな~(^^;)
まとめ
おすすめジャズ「テナーサックス編」の時にも述べましたが
- メロディーがキャッチーである
- テーマは比較的、素直に演奏している
- 「歌ごごろ」ある演奏をしている
この辺りを留意して選定いたしました。
お気に入りのトランペットの演奏があり、ジャズが好きになるきっかけになれば幸いです(^^)
コメント