ジャズ史上、最高峰の評価を受けているジャズヴォーカリストの一人、エラ・フィッツジェラルドをおすすめ名盤とともにご紹介します。
数々のレコードの大ヒット、グラミー賞の獲得は数得ること13回。
音楽的な成功だけでなく、名誉博士号、大統領勲章を授与されるなど社会的にも認めらた偉大なミュージシャンです。
エラ・フィッツジェラルドの主な経歴
出生名:エラ・フィッツジェラルド
生誕:1917年4月25日
出身地: 1996年6月15日
担当楽器:ヴォーカル
西暦 | 内容 |
1914年 | ヴァージニア州ニューポート・ニューズに生まれ。 生まれてすぐにニューヨークへ移住。 |
1934年 | アポロ劇場で行われたアマチュア・コンテストに優勝したことをきっかけにデビュー。 チック・ウェブズ・バンドに誘いを受けて本格的に音楽活動を開始。 |
1941年 | ソロ活動開始。 楽器と会話するようなスキャットで一世を風靡。 |
1955年 | ヴァーヴへ移籍。 絶頂期を迎える |
1993年 | 健康状態の悪化により第一線を退く。 1996年に死去 |
エラ・フィッツジェラルドの紹介
ジャズ史上、女性三代ボーカリストの1人に数えられるエラ・フィッツジェラルド。
「歌うメトロノーム」と言われるほど正確なリズム感を持ち、楽器と対話するように歌うスキャットは他のジャズヴォーカルとは一線を画すものでした。
エラ・フィッツジェラルドが生まれたのは1914年。
幼少の頃は非常に苦労をしました。
エラ・フィッツジェラルドは生後間もなく、ニューヨークに移住することになりますが、この時にすでに実の父親とは別れています。
両親は内縁関係で生まれて間もなくその関係を解消したそうです。
そして母親とも14歳で死別。
その後の生活は荒んだもので。
警察に補導されて少年院に入ったり、ホームレス生活を強いられたり、売春宿やマフィアの下働きをしたり…。
何とか日々、生き抜いているって感じですね。
そんなエラ・フィッツジェラルドに転機が訪れたのは1934年。
17歳の時です。
アポロ劇場で行われたアマチュア・コンテストで見事に優勝。
ドラマーのチック・ウェブズの目に留まり、彼のバンドでプロとしての道を歩みます。
彼の死後も暫く、バンド活動を行いますが1941年にソロ活動を開始します。
1940年代といえばビ・バップの初期。
エラ・フィッツジェラルドは自分の声を楽器のように歌い上げるスキャットでデイジー・ガレスピー等、ビ・バップを牽引していたトップミュージシャンと白熱した演奏を繰り広げました。
1955年、ヴァーヴへ移籍後は絶頂期を迎えます。
1964年までにリリースした8枚のレコードは全て大ヒット。
音楽的にも高い評価を得ます。
1970年以降は健康状態があまり思わしくなく、全盛期とは言えませんが…。
1993年、糖尿病で盲目になり表舞台から距離を置くまで、第一線で活躍し続けました。
エラ・フィッツジェラルドのおすすめ名盤①
エラ・アンド・ルイ
1956年録音。
この頃、すでに大御所となっていたサッチモことルイ・アームストロングとの共演。
エラ・フィッツジェラルドはちょうど絶頂期を迎えつつある頃。大御所、ルイ・アームストロングに引けを取らない素晴らしいヴォーカルですね!
そしてピアノはオスカー・ピーターソンです。
超豪華メンバーです!
エラ・フィッツジェラルドのおすすめ名盤②
クラップ・ハンズ・ヒア・カムズ・チャーリー!+3
1961年録音。
ルー・レヴィー・カルテットをバックにエラ・フィッツジェラルドの絶頂期のヴォーカルが堪能できます。
『チェニジアの夜』『ラウンド・ミッドナイト』『クライ・ミー・ア・リバー』などジャズの定番曲を多く取り上げてるのでジャズを聴き始めの方にもおすすめできます!
エラ・フィッツジェラルドのおすすめ名盤③
Fitzgerald & Pass Again
ギターの名手、ジョー・パスとの共演。
このアルバムがリリースされた1976年、エラ・フィッツジェラルドはすでに大御所です。
ジョー・パスは『ヴァーチュオーゾ』の成功でジャズギタリストとしてノリにノッている時期ですね。
この二人の共演なので名盤になるはずです!
ジョー・パスの超絶技巧のギターをバックにしっとり、穏やかな曲が多いですね。
エラ・フィッツジェラルドのおすすめ名盤④
ソングス・イン・ア・メロウ・ムード
全曲、ジャズスタンダードのバラード集。
美しいピアノをバックに歌い上げるエラ・フィッツジェラルドのバラードはまさにメロウ。
エラの美しいヴォーカルに酔いしれるのも良し、休日のティータイムのBGMにしても癒されると思います。
ゆったりしたい時に聴くのがおすすめです。
エラ・フィッツジェラルドのおすすめ名盤⑤
マック・ザ・ナイフ~エラ・イン・ベルリン
1960年に発表されたライブアルバム。
『風とともに去りぬ』『ミスティ』『サマータイム』などジャズスタンダードを取り上げていて聴きやすいのも特徴ですが、やはりライブ盤ならでの臨場感がすごいです!
特にアルバムタイトルになっている『マック・ザ・ナイフ』は即興で後半を大胆にアレンジしていて非常に楽しいです!
まとめ
エラ・フィッツジェラルドはリズム感も完璧でスキャット等のテクニックも抜群のシンガーですが…。
どこか声が可愛らしくて親近感がわきます。
サラ・ヴォーンと合わせ、ジャズを聴き始めの方には本当におすすめです(^^)
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