十二国シリーズの読む、おすすめの順番と各巻のエピソードを簡単にご紹介します!
色んな国の色んな登場人物が活躍する物語ですから、これから十二国シリーズを読む人の参考になればとまとめてみました!
十二国記のおすすめの順番は?
発刊順と公式のおすすめ順は少し違います
発刊順か公式のおすすめ順か?
十二国記シリーズの発刊順は下記の通り。
- 『魔性の子』1991年
- 『月の影 影の海』1992年
- 『風の海 迷宮の岸』1993年
- 『東の海神 西の滄海』1994年
- 『風の万里 黎明の空』1994年
- 『図南の翼』1996年
- 『黄昏の岸 曉の天』2001年
- 『華胥の幽夢』2001年
- 『丕緒の鳥』2013年
- 『白銀の墟 玄の月』2019年
1991年から十二国シリーズを読み続けている人は発刊順に読み進めていることが多いと思いますし、また発刊された順番に読むのが通常と考える人が多いと思います。
ただ新潮文庫より発刊されている文庫本にはエピソードの番号が付いてます。
こちらが「公式」のおすすめの順番ということになります。
- episode0『魔性の子』1991年
- episode1『月の影 影の海』1992年
- episode2『風の海 迷宮の岸』1993年
- episode3『東の海神 西の滄海』1994年
- episode4『風の万里 黎明の空』1994年
- episode5『丕緒の鳥』2013年
- episode6『図南の翼』1996年
- episode7『華胥の幽夢』2001年
- episode8『黄昏の岸 曉の天』2001年
- episode9『白銀の墟 玄の月』2019年
「発刊順」と「公式おすすめ順」の違いは大きく2つです。
一つは短編集の『丕緒の鳥』と『華胥の幽夢』をどこで読むかの違い。
それ以外、長編と呼ばれる巻については発刊順と同じなのです。
つまるところ短編集をどのタイミングで読むと一番良いのかという公式の見解が入っているのが公式のおすすめ順となります。
特にこだわりがなければ公式のおすすめ順で読むと良さそうです。
問題は二つ目。
『魔性の子』を公式おすすめではepisode0としていること。
『魔性の子』は十二国シリーズに関連性が高かったものの当初は別作品として発刊されましたが、新潮文庫に移籍した際にepisode0として統合されました。
0ということで1の前に読むべきなのか、あるいはストーリーの大筋とは離れてるので0にしているので後回しで良いか…。
判断が迷うところです(^^;)
- 発刊順と公式おすすめ順は短編集をどのタイミングで読むかの違いだけなので公式おすすめ順が無難
- episode0『魔性の子』をどのタイミングで読むかは迷うところ
『魔性の子』をどのタイミングで読むか?
『魔性の子』のエピソードは『黄昏の岸 曉の天』と非常に関わりが深いです。
『黄昏の岸 曉の天』は戴国で謀反が起こり、行方不明になった泰麒を探し出す物語ですが…。
この行方不明になっている期間、泰麒は蓬莱(日本)にいるのです。
『魔性の子』は泰麒が蓬莱(日本)で過ごしている時期を描いた物語です。
十二国記の世界観は出さず「神隠しにあったことのある青年の周りには不吉なことが起こる」的な切り口のホラー小説なんですね~。
『魔性の子』を最初に読んだ場合は純粋にホラー小説として読めますが、十二国記シリーズを先に読んだ場合は不吉の原因が何となくわかります(^^;)
ですので新鮮な気持ちで『魔性の子』を読むなら最初に読んでおいた方が良いですが…。
再度、申しますが『魔性の子』はホラー小説です。
十二国記シリーズを読む人はファンタジー小説好きなので『魔性の子』を最初に読んで興味を示せるかどうかと言えば難しいかも知れません。
関連性の高い『黄昏の岸 曉の天』を先に読んで、そのエピソードを補完するという位置づけで『魔性の子』を読むことを私はおすすめします!
- episode1『月の影 影の海』1992年
- episode2『風の海 迷宮の岸』1993年
- episode3『東の海神 西の滄海』1994年
- episode4『風の万里 黎明の空』1994年
- episode5『丕緒の鳥』2013年
- episode6『図南の翼』1996年
- episode7『華胥の幽夢』2001年
- episode8『黄昏の岸 曉の天』2001年
- episode0『魔性の子』1991年
- episode9『白銀の墟 玄の月』2019年
※太字は本編
上記が私のおすすめ順ですが、短編集、『魔性の子』以外にも『東の海神 西の滄海』と『図南の翼』は外伝的なエピソードになるので後回しにしても問題ないです。
本編とされる『月の影 影の海』、『風の海 迷宮の岸』、『風の万里 黎明の空』、『黄昏の岸 曉の天』、『白銀の墟 玄の月』の順番で読み進めても良いでしょう。
本編を陽子(慶国)編と泰麒(戴国)編で切り分ける方法も!
公式という訳ではありませんが…。
さらに本編と呼ばれる5冊の本も大きく2つに分けられます。
- 『月の影 影の海』・『風の万里 黎明の空』・『黄昏の岸 曉の天』→陽子(慶国)が中心
- 『風の万里 黎明の空』・『黄昏の岸 曉の天』・『白銀の墟 玄の月』→泰麒(戴国)が中心
『月の影 影の海』・『風の万里 黎明の空』は陽子が十二国の世界に迷い込むところから王として成長するまでの物語、『風の万里 黎明の空』・『白銀の墟 玄の月』は泰麒の十二国で過ごした期間の物語になります。
『黄昏の岸 曉の天』は陽子が中心となって行方不明になった泰麒を捜索するという物語で十二国記シリーズの中でも一番盛り上がる巻です!
陽子編、泰麒編と切り分ければ物語も続くので読みやすいと思います。
十二国記シリーズの各巻のあらすじを簡単におさらい
月の影 影の海
女子高生の陽子がいきなりケイキと呼ばれる金髪の男性に呼び止められるや否や異形の獣に襲われ、逃げた先が異世界…。
そう、十二国の世界です。
ここから十二国記シリーズの物語が始まります。
女子高生に金髪の男性とキャッチーな登場人物で華やかな展開を期待しますが、物語の前半は辛くて重たい話が多く少々疲れます(^^;)
そこを我慢したら新たな展開が待っていて十二国記シリーズの世界に引き込まれると思います!
風の海 迷宮の岸
泰麒の幼き日の物語。
episode1『月の影 影の海』より時代は遡ります。
(『月の影 影の海』では泰麒はすでに行方不明になってます)
泰麒は蓬莱(日本)で生まれ、10年間は人間として過ごします。
ちょっとしたきっかけから十二国記の世界に戻ることになり自分が麒麟であることを知らされます。
ここから麒麟として如何に成長していくかが描かれています。
そして後のエピソード『黄昏の岸 曉の天』で角を切られて再び、蓬莱に帰ることになるのですが、それまで十二国記の世界にいた期間が『魔性の子』の小説の中の「神隠しにあった1年間」となります。
泰麒の物語の序章とも呼べる作品です。
東の海神 西の滄海
『東の海神 西の滄海』は長編ではありますがスピンオフ的な位置付けにあります。
episode1で陽子を助けた雁州国延王の物語です。
『月の影 影の海』では雁州国は500年続いた強国とされてます。
十二国記の世界では王が政の方向を誤る(悪政に走る)と麒麟が死んでしまい(失道)、麒麟が死ぬと王も死ぬというシステムがあります。
よって王が長く君臨しているということは「政が上手くいっている」ということになり、即ち国が安定して豊かということに繋がります。
『東の海神 西の滄海』は延王が王座についた頃の物語で前作より時はさらに遡ります。
延王が蓬莱(日本)で生きた時代は戦国時代。
そのため少し、日本の時代劇の要素を感じます。
延王の豪快な性格もあり、スカッとする物語です!
風の万里 黎明の空
episode1『月の影 影の海』の続編の位置づけ。
陽子が王になってからの物語です。
陽子以外にも2人の少女を登場させ、それぞれの立場から辛い経験をどのように乗り越えて成長するかが描かれています。
episode6『図南の翼』の主人公が少し、登場します。
この巻では生意気な子どもの王って感じでしたが…。
丕緒の鳥
慶国を舞台にした短編集。
祝い事や賓客があったときの祭礼の儀式「射儀」を掌る役職、羅氏の不緒からみた慶国を描いています。
慶国は女王が3代続き、散々な目に遭ってる国です。
『月の影 影の海』・『風の万里 黎明の空』を補完する内容なので公式のおすすめ順も頷けます。
図南の翼
恭国の王、珠晶(しゆしよう)を取り上げた物語。
こちらも長編ですがスピンオフの位置づけです。
関連するエピソードは『風の万里 黎明の空』。
『風の万里 黎明の空』で登場した時の恭王、珠晶は「世間知らずで生意気な少女が王になった」という感じに見えましたが『図南の翼』を読むと印象が変わりますね~。
頭が良く度胸も据わっているお嬢様が旅先で知り合った二人の臣下を引き連れて蓬山するエピソードはファンタジー小説の王道ともいえるロードノベル的な要素もあり、暗くて重たいエピソードが多い十二国シリーズの中でも楽しみながら読み進めることができる作品です。
華胥の幽夢
全5編で各国の王たちの理想を描く短編集。
短編集ではありますが『華胥の幽夢』を読むことで本編の補完になる側面もあるので、読んでいただきたいです。
特に『冬栄』は泰麒が行方不明になる直前のエピソードなので、『黄昏の岸 曉の天』を読む前に是非。
黄昏の岸 曉の天
戴国の女将軍、李斎が陽子のもとへ助けを求めるところから物語が始まります。
行方不明になった泰麒を探してほしいと…。
今まで本編のエピソードが繋がった巻でもあり、各国の麒麟が一致団結するシーンがあるなど見どころ満載の巻です。
魔性の子
『黄昏の岸 曉の天』のエピソードでは泰麒は行方不明になってましたが、その期間は蓬莱(日本)にいました。
角を切られていたため自分が麒麟であることは知りません。
そんな泰麒の日本での生活をホラー小説で描いた作品です。
白銀の墟 玄の月
十二国シリーズの最新巻で文庫本4冊分の超大作。
無事に十二国の世界に戻った泰麒を中心に行方不明中の戴王、驍宗を捜索しつつ、謀反を起こした張本人、阿選に立ち向かう物語です。
まとめ
十二国シリーズの読む順番と各巻の簡単なエピソードをご紹介しました。
これから十二国シリーズを読む人にとって参考になれば嬉しいです!