近い将来、日本から会社がなくなる!?
激変する環境の中、いかに未来を見据えキャリア形成していくかのヒントが得られます。
経営コンサルタントの神田昌典とUTグループ株式会社代表取締役社長の若山陽一の共著。
内容紹介
2024年までに「会社」は一度、死ぬ。働き方はどう変わるのか? 飛躍できる人、組織の条件とは? 「景気が低迷した20年、私たちが失ったのは経済成長だけではないことを、若山陽一氏から衝撃とともに教わった」と経営コンサルタント・神田昌典はいう。現実を知り、未来に備える書を著すときに神田昌典が選んだ共著者・若山陽一は「正社員として雇った社員を派遣する」という信念のもと、日本のモノづくりを支えるUTグループの代表。二人の対論から、新しい時代に飛躍するために持つべき「勇気」、身につけるべき「力」を導き出す意欲作。 (アマゾンより引用)
会社がなくなるとは・・・
- 今までの会社は、すでに成熟期の後半である。
- 社内で価値を創る時代から、社外で価値が創られる時代へ
- 社内で予算を獲得する社外で予算を獲得する時代へ
- 人を育てる時代からロボットを創る時代へ
神田氏は会社がなくなる理由として4つを挙げています。
特に印象深かったのは「社内で価値を創る時代から、社外で価値が創られる時代へ」の項目です。
社外の人がたくさん集まってくるプラットフォームをつくり、集まった人たちが勝手に行動することで、価値を生み出すビジネスが増えてきたとのこと。
いわゆる「マッチングビジネス」のことを述べてます。
本書で紹介しているのはAirbnb(エアビーアンドビー)。
宿のマッチングサービスですね。
後はアメリカの話になりますがUBER(ウーバー)は車のシェアリングサービス。
安く移動したい人と同じ方面に車で行く人で助手席が空いている人とのマッチングにより成立します。
この話はウエブ系の講座を受講した時に聞いたことがありました。アメリカではタクシー会社が大打撃だそうです。
他に知っているマッチングサービスといえば印刷のラクスル。
こちらも登録している会社の「空き時間」を利用して安価に印刷を提供するサービス。
私は同業ですが、まともに価格競争すると全く敵いません。
同じ会社が運営しているハコベルというのもあります。
こちらは物流のマッチングサービスです。
町の運送屋が空き時間を利用し安価にサービスを提供するものです。
一度、利用したことがありますが赤帽とかより格段に安かったです。
近年、こういった会社が増え、例に漏れず価格競争力があり、勢いを感じます。
そして確かに社内で設備投資や人材教育を行わず社外で価値を見出してます。
これには納得しました。
「会社はなくなる」の意味は旧態依然の「従来の会社がなくなる」という意味だったのですね。
UTグループという会社と神田氏の会社の解散
UTグループは共著者の一人、若山氏が社長を務める会社です。
主に大手メーカーの半導体工場へ技術スタッフ派遣や業務請負を手掛ける会社です。
一見、普通の人材派遣会社ですが、従業はなんと派遣ではなく、ほとんど正社員とのことです。
神田氏は著名なコンサルタントですが2010年に癌を告知され、会社を解散した経験があると語っています。
若山氏がどのような想いでUTグループを設立し、大きく成長させたのか?
神田氏は癌克服後、どのよに会社を立て直したのか?
ここに「これからの会社の在り方」「未来を見据えたキャリア形成のヒント」が散りばめらてます。
本書ではこれから生き残れる人材は
- 多様な人たちをマネジメントできる人材
- ネットワークの一員として選ばれるようば高い専門性をもつ人材
この2パターンしかないと断言してます。
「自分はどうだろう」とふと思います。まだまだ未熟ですが方向性としては目指すなら前者かな・・・。
三つの勇気とコネクティング・インテリジェンス
三つの勇気
- 激変する技術環境に対応し、未知なる分野に踏み出す勇気
- 暗闇のなかでも、輝かしい未来ビジョンを描き、一人からでも声を上げる勇気
- 自分と共振するビジョンを持つ組織を見分け、その組織と成長していく勇気
会社がなくなる時代に活躍できる人材になるには上記の三つの勇気を持つことが大切と説いてます。
要は「暗闇に飛び込み、自分で光を見つけ出し、声をあげ、仲間を見つけ、新しい世界を創る勇気」らしいです。
・・・うん、かなり志が高い人でないと面食らうかもしれません。
一方、今までの学歴や肩書、実績など関係なく「やってやるぞ」とシンプルな勇気な持ち続けることが大事とも説いてます。
あくまでも勇気です。最初からそんな人であれと言うことではないということですね。
コネクティング・インテリジェンス
簡単に説明すると「内面と外面のズレをなくし、常にそれらを一致させていく知性」とのことです。
内面とは「思考」、外面とは「行動」に置き換えると、「自分(企業)の思考通りにちゃんと行動できているか?」となります。
これが上手くいくと揺るぎない軸ができ、困難に打ち勝つ、力の源になると説いてます。
本書ではコネクティング・インテリジェンスについて事例や図を交え、わかりやすく説明しています。
まとめ
「これからは会社がキャリアストーリーを描いてくれない。自分でキャリアストーリーを描くしかない」という言葉が胸に残ってます。
自分はキャリアストーリーをちゃんと描けてるだろうか・・・
仕事面で言えば今は好調です。しかし3年後、10年後の自分をしっかり描けているかというと少し心許ない(^-^;
なんていうか漠然とはあるんですけどね。
最後の方に「フューチャー・マッピング」というのが紹介されてましたのでまずは3年後の自分について整理してみたいと思います。
本書は働くすべての方々にオススメできますがこれからの若い方たちは特に得ることが多いと思います。
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