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世界ナンバーワンの日本の小さな会社【感想・あらすじ】

日本が誇る小さいけど世界ナンバーワン企業の2社、世界から注目を集めるジャパニーズ・ウイスキーの製造元『ベンチャーウイスキー』、宮内庁御用達の日本で唯一の馬具メーカー『ソメスサドル』を徹底取材。

現在、中小企業の生き残りの鍵を握るブランディングとは何たるかを学べます!

目次

 内容紹介

私はこの取材を通して、ベンチャーウイスキーの肥土社長やソメスサドルの染谷社長が、真のイノベーターであることを実感しました。 両社が扱っている商材は、ウイスキーやカバン・バッグというモノであり、私たちの住む世界にとって特に目新しい類の商品ではありません。 それにもかかわらず、なぜ後発で〝ナンバーワン〟の称号を手に入れられるまでになるのでしょうか? 「秩父で造ることにこだわったウイスキー」「馬具職人がつくるカバン・バッグ」という〝意味〟を見出し、それを基盤に〝世界で唯一の物語〟による価値を発見しています。 このブランド価値を創造する過程=ニッチでトップになる過程こそが、特に中小・ベンチャー企業の経営者・リーダーや、公的機関や支援機関の地域創生に関わる全てのリーダーにとって、両社長から学ぶべきもっとも大きな教訓です。 しかも、両社長とも「ほぼゼロ」からブランドをスタートさせているように、挑戦することの価値を教えていただけます。 肥土社長、染谷社長の生い立ちや成長、気づきについて知りたい方にとって、読み物としても読み応えがあります。 ブランディングの実践を学びたい方は第3章「小さいけれども、地元に愛されて、独り立ちするブランドづくり」までお読みいただければと思います。 (アマゾンより引用)

仕事に夢を語れるか!?

ベンチャーウイスキーの肥土社長は事実上の倒産から会社を引き継ぎ、大きく成長させることに成功しました。その道のりは決して平たんではなかったと想像するに難しくありません。

しかし本人は「はたから見るほど苦しくなくむしろ楽しかった」と言います。

その間、わたしは夢によって動かされてきました。羽生の原酒を引き継ぐ夢。蒸溜所を立ち上げる夢。そして秩父の30年ものを飲みたいという夢。夢をもつとエネルギーが沸いてきます。エネルギーはどんな困難があったとしても、自分を動かす原動力となり、さらに周囲を動かすこともできます。 (本書 87頁抜粋)

ソメスサドルの染谷社長は学生時代、スキーに没頭してましたが身近に立て続けに起きた不幸な事故より、立ち直れないくらいに落ち込んだ時期があったそうです。

それから間もなくし父が同社の前身であるオリエントレザーの社長に就任。その際に声をかけてもらったのが入社のきっかけとのことです。

染谷社長は当時のことをこう語ってます。

再起をするチャンスを与えてくれたと思いました私の名前のように、ただ昇れと。スキーを散々やらせてもらってきた負い目のようなものもありましたから、大好きな郷里に対して何か恩返しができるかもしれない、大きな父親に対してはじめて役に立てるんじゃないかという思いでした。  (本書 P172頁抜粋)

 今でも北海道の馬具づくりの技術を世界に広めようという夢、自分を育ててくれた地域に貢献しようとする気持ちは変わってないとのことです。

後述しますが染谷社長は「行動の人」。

行動力の原点にはこのような夢がありました。

自分の仕事に夢を語れるか!

・・・胸が痛くなります。私は自分の仕事にプライドこそ持っていますが、やはりサラリーマンの甘えとも言いますか、「割り切ってやってる感」「やらされ感」というのをたまに感じてしまうこともあります。

たとえ組織の歯車のサラリーマンであっても夢を見つけて仕事をすることが必要か・・・。

大切なことに気づかされます。

行動せずには始まらない

家業の事実上の倒産の際に再生会社を任せらた肥土社長。

その際に問題となったのがウイスキーの原酒。当時のウイスキー市場は右肩下がり。

しかもウイスキーは他の酒に比べ、熟成に時間がかかるので採算をとるのが難しい酒でした。

スポンサーからは期間を設け、買い手が見つからなかった際は廃棄するように命じられました。

どうしても原酒を廃棄したくなかった肥土社長は家にあった銘酒辞典を片手に関東近郊の酒造メーカーに片っ端から電話をかけたそうです。

やっと引き受けてくれる酒造メーカを探してからも商品の営業は当面はご自身一人で担当し、2年間で2000軒ものバーをめぐったそうです。

染谷社長も「行動の人」。社会人1年目から電話帳と地図を片手に競馬場や乗馬クラブ等、「馬がいそうなところ」を飛び込み営業をしていたそうです。

馬具からカバンへシフトチェンジした頃もファッション業界と接点を持つため、一流ブランドの店舗を片っ端から飛び込み営業をかけたそうです。

現在、メディアは多様化し色々な宣伝方法があるかと思いますが、金もコネもない時期には泥臭いことも無駄ではないと思いました。

私も営業をやっておりますが企業間取引というのは極めて合理的な判断で行われます。自社の商品を使用した際のメリット等、データで示すことを求められることもあります。しかし、企業間取引と言えど結局、対面は人と人。仕事を決めるのに必要なのは「人の心を動かすこと」か重要と感じてます。

それにはどうするか・・・。

「泥臭くても懸命に行動する」「語れる夢がある」こんな人が心を動かす人ではないかと本書を読んで再認識しました。

勿論、スマートにことを運ぶ人に心動かされる方もいると思いますので一概には言えませんが(^^;)

ブランドとは結果論なのか!?

「過度なブランディングはブランドの価値を下げる」と本書で肥土社長は語ってます

ものづくりをこだわりをもってコツコツ積み重ねたら、気づいたら商品が一人歩きし、愛好家に知られる存在になっていたとのことです。

ブランドは結果論とまで言ってます。

確かにと思うのがブランディングとマーケティングは非常に密接に関係にあるのですが肥土社長が再生会社を任された際、ウイスキーの原酒の維持に躍起になりますが、市場を素直に見つめる人なら原酒をあきらめていたかもしれませんね。

市場分析だけが全ててないと気づかされます。

まとめ

私も仕事柄、ブランディングについて多少、勉強しております。印刷会社ですと販促ツールの提案とは求められることがあるので、今後、ブランディング支援みたいなことができれば良いなと思ってのことです。まだまだ実践には移れてませんが(^^;)

でも本書を読むとブランドづくりも教科書通りではないなとつくづく感じます。

勉強するのも大事だと思ってます。しかし自社でも他社でもブランディングに携わるなら本気で商品や企業と向き合う必要があると気づかされます。

そしてこの激動の時代に生き抜く術は「ほんもの」であることと痛感しました。

これは永遠のテーマですね。口で言うほど簡単なことではないと思います。

でも商品も会社もそして人も・・・。

「ほんもの」について向き合っていかないといずれ淘汰される・・・。

そんな気がしております。

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