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バド・パウエルのおすすめ名盤5選【ピアノトリオの先駆者であり破滅型の天才ピアニスト】

バド・パウエルをおすすめ名盤と共にご紹介いたします。
ピアノトリオの先駆者として、元祖天才ピアニストとして、そして波乱万丈の人生を歩んだ破滅型天才としてジャズ史上に名を残すミュージシャンです。

後世のミュージシャンにも多大なる影響を与えました。

目次

バド・パウエルの主な経歴

出生名:Earl Rudolph Powell
生誕:1924年9月27日
出身地: アメリカ合衆国
担当楽器:ピアノ

西暦内容
1924年アメリカ合衆国、ニューヨーク州で生まれる。
15歳の頃から兄のバンドで演奏活動を始める。
1943年クーティ・ウィリアムス・オーケストラに参加。
その後、ヴァーヴ、ブルーノートで数々の名盤を残すが同時にアルコール・ドラッグ中毒に悩まされる。
1959年フランス、パリに渡って演奏活動を続ける。
1966年アメリカ合衆国に帰国後、ニューヨークで死去。

バド・パウエルの紹介

カズロー

ナット・キング・コールとともにピアノトリオというバンド編成を確立した最重要人物

ピアノトリオの先駆者、バド・パウエル

ピアノトリオといえば今やジャズの最もポピュラーなバンド編成といっても過言ではないでしょう。
モダンジャズ隆盛の1950~60年代から令和の今でも多くのピアノトリオの名盤が録音されてきました。

しかし、1930年代頃まではピアノトリオというバンド編成は一般的でありませんでした。
ピアノトリオをメジャーに立役者は二人います。

まずはナット・キング・コール。
後に歌手としてジャズというジャンルを超えて成功した人ですが、デビューしたての頃はピアニストとして活躍してました。

ナット・キング・コールがピアニストとして活躍していた1939年後半。
彼はピアノ、ベース、ギターという編成で演奏活動をしていました。
ナット・キング・コールの影響でこの編成が普及し始めます。

そして時を同じくして1930年後半から演奏活動をしていたバド・パウエル。
ナット・キング・コールの編成はピアノ、ギター、ベースでしたが現在の最もポピュラーな編成、ピアノ、ドラム、ベースでの編成の先駆けはカーリー・ラッセル(b)、マックス・ローチ(ds)、そしてバド・パウエルで結成されたピアノトリオとされています。

パド・パウエルはピアノトリオの先駆者としてナット・キング・コールと共にジャズ史においても重要な役割を果たしてます。

元祖、超絶技巧のピアニスト、バド・パウエル

バド・パウエルがピアノトリオをメジャーにできたのはやはり、自身の華やかで超絶なピアノ演奏で聴衆を魅了できたからでしょう。
特には速く弾くことに関しては当時のミュージシャンの中では随一で且つ、それまでのピアニストの左手はあくまでもベース保持のために使われてましたが、バド・パウエルは右手同様に重要なテクニックを担い、演奏に深みを与えました。

また盟友、セロニアス・モンクからジャズ理論についても学んでおり、1940年代後半から1950年代前半頃まではジャズピアノの最高峰として活躍してました。

アルコールとドラッグに悩まされた破滅型の天才

バド・パウエルは誰もが認める天才ピアニストでしたが、非常に傲慢な性格だったようです…。
そしてアルコール、ドラッグ依存が凄まじかったそうです。

1945年頃から頭痛に悩まされたことに加え、アルコール、ドラッグ依存のせいでバド・パウエルは精神不安定な状況に陥り、入退院を繰り返すことになります。

精神不安定の中でもバド・パウエルの演奏は絶賛され続けます。
次第に病は身体に影響を及ぼし、全盛期のように華やかな演奏が出来なくなってきてしまいますが…。
それでも抑制の利いた演奏が深みにもなり、評価する人もいました。

1966年、41歳という若さで亡くなります。
晩年のパリでの生活でドラッグからは脱却できたようですがすでに心身がボロボロだったようです。

彼のパリでの生活はテナーサックスのデクスター・ゴードン主演の映画『ラウンド・ミッドナイト』のモデルになりました。

バド・パウエルのおすすめ名盤①

ザ・シーン・チェンジズ+1

1958年録音のバド・パウエルの代表作。
バド・パウエル(p) ポール・チェンバース(b) アート・テイラー(ds)の編成。

テクニック面では少し衰えてきている頃ではありますが…。
何と言っても『クレオパトラの夢』という曲が超有名です。

唸り声を上げながら鬼気迫る演奏は必聴です!

バド・パウエルのおすすめ名盤②

ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1

1949年、1951年録音。
参加メンバーはバド・パウエル(p) ファッツ・ナヴァロ(tp) ソニー・ロリンズ(ts) カーリー・ラッセル、トミー・ポッター(b) マックス・ローチ、ロイ・ヘインズ(ds)。

時期的に見てもバド・パウエルの絶頂期の演奏が聴ける名盤です。
『Un Poco Loco』が超絶で格好よいです!

ホーンメインでの演奏が多い『A Night In Tunisia』をピアノメインでばっちり聴かせてくれます。

バド・パウエルのおすすめ名盤③

ポートレイト・オブ・セロニアス +1

バド・パウエルがパリに滞在中に録音したアルバム。
アメリカにいた頃の友人、セロニアス・モンクの曲を中心に取り上げています。

セロニアス・モンクといえば華やかで超絶技巧のバド・パウエルと真逆のスタイルで静かで独創的で深みのある演奏が特徴のピアニスト。
パリに滞在中のバド・パウエルは全盛期はとっくに過ぎてますが…。
抑制の利いた演奏で友人セロニアス・モンクの味のある曲を美しく奏でています。

『Ruby, My Dear』が特におすすめです!

バド・パウエルのおすすめ名盤④

ジャズ・ジャイアント

1949年、1950年録音。
バド・パウエルの全盛期に録音された名盤なので超絶技巧が堪能できます。
『Tempus Fugit』や『Cherokee』のようなアップテンポでバド・パウエルの超絶技巧が存分に堪能できる曲が多いですが、『I’ll Keep Loving You』の美しバラードも。

バド・パウエルのバラードは美しいですが、変に甘美にならないところが特徴です。
ちょっと重めな感じかな~。

バド・パウエルのおすすめ名盤⑤

Bud Powell in Paris

1963年録音のライブ盤。
バド・パウエル(p)、ギルバート・ロヴェール(b)、カール・ドネル(ds)という編成でプロデューサーはデューク・エリントン。

『Dear Old Stockholm』『Body and Soul』『Satin Doll』などジャススタンダード曲を多く取り上げているので聴きやすアルバムだと思います。
晩年の作品なので超絶技巧を感じる華やかな演奏ではありませんが…。
どこか哀愁を帯びた叙情的な演奏もバド・パウエルの魅力の一つです。

まとめ

バド・パウエルの名盤を5枚、紹介させていただきましたが、2枚は全盛期、2枚は晩年、1枚はちょうど中間あたりの時期です。

全盛期と晩年では演奏スタイルが違ってきているので是非、聞き比べて見てください。

一般的に一番、有名なのは中間の『ザ・シーン・チェンジズ+1』。
やはり『クレオパトラの夢』は偉大です(^^;)

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