ある日、友人に聞かれました。
「ジャズとボサノバの違いって何?」
「ボサノバってジャズなの??」
ボサノバの曲はジャズアルバムに収録されていることが多く、気になったようです。
感覚的には理解しているつもりでしたが、説明するとなると中々、難しい…。
今回はジャズとボサノバの違いと関係性についてまとめてみました!
ジャズとボサノバの違いって?
ボサノバはブラジルで生まれた音楽
ジャズは1900年頃のニューオーリンズが発祥の地といわれています。
当時のニューオーリンズは17〜18世紀の名残りで様々な文化が入り混じる地域となっており、そんな中、黒人特有の音楽性と西洋音楽が交わり、ジャズが誕生しました。
詳しくはこちらの記事をご参照ください!
ボサノバはサンバと並ぶブラジル音楽の一つで1950年代後半に誕生しました。
ボサノバはポルトガル語で「新しい感覚」「新しい傾向」という意味があるらしいです。
ブラジルで古くから愛されるサンバに比べると新しいジャンルの音楽になるからでしょうか。
ボサノバはジャズよりサンバに近い音楽だったんですね
ボサノバはジャズミュージシャンによく演奏されてますが、歴史で見るとボサノバはジャズと違うジャンルの音楽だと言うことがわかります。
では何故、ジャズミュージシャンはボサノバの曲を演奏するようになったのでしょう…。
続いてはジャズとボサノバの関係について説明していきますね!
ジャズとボサノバの関係について
ボサノバの発祥は先述した通り、1950年代後半。
アントニオ・カルロス・ジョビン、ジョアン・ジルベルト等がパイオニアとされてます。
そして1950年代後半といえば、アメリカではビ・バップ、ハード・バップの流行が落ち着き、フリージャズなど新しい方向性を模索している時期でもありました。
どちらかと言うと芸術性を追求する方向ですね。
芸術性を追求するのはもちろん悪いことでは有りませんが、「ジャズは高尚な音楽」と大衆から敬遠される側面も出てきました。
そんな状況の中、一部のジャズミュージシャンはジャズにメロディアスな要素を取り込み、ジャズの小難しい印象を払拭できないかと考え始めました。
そこで目をつけたのがボサノバと言う訳です。
ジャズミュージシャンのスタン・ゲッツ(ts)とチャーリー・バード(gt)がボサノバの要素を取り入れたジャズサンバが1962年をリリースし、これが見事に大ヒット。
ジャズを敬遠し始めていたファンを再び引き寄せます。
さらにスタン・ゲッツは1963年にはボサノバの代表的歌手のジョアン・ジルベルトと『ゲッツ/ジルベルト』をリリースし、前作を超える大ヒットとなりました。
ボサノバをジャズに取り入れた第一人者、スタン・ゲッツの紹介記事もありますので合わせてご連絡ください。
その後もボサノバは多くのジャズミュージシャンに演奏され続けるようになります。
ボサノバの作曲家、アントニオ・カルロス・ジョビンは世界で1,2位を争うほど著作権使用料があったそうです。
ボサノバは「ジャズミュージシャンによってアメリカで大ヒットし、世界中に広まったこと」、「今でも多くのジャズミュージシャンが演奏されていること」からジャズと密接な関係に感じる人が多いのだと思います。
ボサノバの名曲紹介
ボサノバは本当に美しい曲が多いです
ボサノバは歌付きの今日が多く、美しく親しみやすいメロディが特徴です。
『イパネマの娘』、『デサフィナード』、『コルコバード』、『おいしい水』…。
とにかく名曲揃いです!
ボサノバの名曲についてはこちらの記事をご参照ください。
ボサノバの名盤紹介
やはり『ゲッツ/ジルベルト』
先にご紹介したスタン・ゲッツのアルバム『ジャズサンバ』と『ゲッツ/ジルベルト』はやはり鉄板です。
後は日本人ボサノバ歌手の小野リサさんも親しみやすくて良いかと思います。
まとめ
今回はジャズとボサノバとの違いや関係性、そしておすすめアルバムを紹介させていただきました。
ジャズとボサノバは違うジャンルの音楽ですが、今でも多くのジャズミュージシャンがボサノバの曲を演奏しています。
ボサノバの曲はメロディアスで親しみやすいにでジャズの入口として聴いてみるのも良いかと思います。
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