1962年ジャズミュージシャンとしてデビュー以来、数々の名曲・名演奏を残し、現在でも第一線で活躍されているハービー・ハンコック。
今のハービー・ハンコックしか知らない人はモダンジャズをしていた頃を知らないかも知れません。
今回はハービー・ハンコックのジャズアルバムを中心におすすめ名盤をご紹介していきます!
ハービー・ハンコックの紹介
プロデビューからマイルス・クインテット時代
ハービー・ハンコックは7歳からピアノを始め、11歳の頃にはシカゴ交響楽団と共演するなど早くからピアニストとして才能を開花させてます。
シカゴ交響楽団と共演すると言うことは最初はクラシック音楽から入ったんですね~。
そんなハービー・ハンコックがジャズと出会ったのが高校生の頃。
ビル・エヴァンスに影響を受けたと言われています。
ビル・エヴァンスといえばクラシックを素地とした美しいジャズを演奏するピアニストですが…。
ハービー・ハンコックはビル・エヴァンスからはモードについて多くのことを学んだそうです。
(マンガまるごとジャズ100年史より)
1960年にプロデビュー。
ジャズトランぺッターのドナルド・バードのもとでプロミュージシャンのスタートを切ります。
2年後の1962年にはブルーノートで初のリーダーアルバム『テイキン・オフ』をリリースします。
大ヒット作『ウォーター・メロンマン』も収録されており人気を博します。
このアルバムには当時、すでにベテランのテナーサックス奏者、デクスター・ゴードンが参加してますね。
後にハービー・ハンコックはデクスター・ゴードンが主演する映画『ラウンド・ミッドナイト』で音楽関連を務めることになりますがこの時から縁があったんですね~。
1963年にマイルス・デイヴィスのバンドに抜擢されます。
当時のメンバーはハービー・ハンコックにウェイン・ショーター、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスとマイルス・デイヴィスの第2期黄金クインテットと呼ばれ、ジャズの最高峰と称されるほどの人気を誇りました。
当時のハービー・ハンコックは新進気鋭のメンバーの中でも桁外れに練習熱心だったとか…。
またこの頃からライブツアーの合間に有名楽器店に赴き、バンドの音楽性を高める技術を得ようと研究していたようです。
音楽に対する探究心は相当なものですね!
ピアニストだけではなく音楽家として成功しているのも納得です。
またこのハービー・ハンコックはこの時期にも『処女航海』など自身のリーダーアルバムをリリースしています。
ジャズの垣根を越えて
1968年、ハービー・ハンコックはマイルス・クインテットを脱退します。
理由は音楽性の違いだとか…。
ハービー・ハンコックは電子楽器を本格的に使いたいという気持ちが強かったようです。
ブルーノートを離れ、ワーナーブラザーズへ移籍。
そこでは大胆にエレクトリックサウンドにシフトチェンジし、さらにアフリカ音楽「ポリリズム」まで取り入れるなど音楽性を進化させていきます。
そして1972年、コロンビアレコードに移籍後、翌年、大ヒット作『ヘッド・ハンターズ』をリリース。
ブラック・ミュージックファンには大きな支持を得たアルバムでしたが当時のジャズのファンの中には批判する人もいたとか…。
それほどジャズの垣根を超えた作品だったという訳ですね。
1970年代後半以降もマイルスバンドの元メンバーに声をかけて「V.S.O.P.クインテット」を結成しモダンジャズを演奏したり、1983年のアルバム『フューチャー・ショック』では、ヒップ・ホップを大胆に導入したり、1986年には前述したデクスター・ゴードン主演の『ラウンド・ミッドナイト』の映画監督(自らも出演)を務めたり…。
ジャズを超え、エンターテイメント界の大御所として今もなお、活躍されています。
ハービー・ハンコックおすすめ名盤①
ハービー・ハンコックの初のリーダーアルバム。
デクスター・ゴードンがメンバーに入っているのも見逃せないです。
『テイキン・オフ+3』に収録されている『ウォーターメロンマン』はキャッチーなメロディでコード進行もシンプルなのでジャムセッションの初心者用の題材として良く取り上げらます。
譜面はシンプルで難しくないのですが、格好よく演奏しようとすると難しい曲です(^^;)
ハービー・ハンコックおすすめ名盤②
ハービー・ハンコックがマイルス・ディヴィスのクインテットで活動していた頃の名盤。
メンバーにもロン・カーター、トニー・ウィリアムスがいますね~。
フロントはテナーサックス奏者、ジョージ・コールマンとトランぺッター、フレディ・ハバード。
特にフレディ・ハバードは熱烈な演奏を披露しており存在感抜群です!
曲としては『Dolphin Dance』が特に有名ですね。
優しさを感じるメロディに知的な演奏…。
是非、聴いてください。
ハービー・ハンコックおすすめ名盤③
1968年の作品。
1970年以降、ハービー・ハンコックはしばらく電子音楽に舵をきることになりますが、この頃はまだアコースティックなジャズを演奏しています。
編成がピアノトリオ+3管なのですが、菅楽器の編成がフリューゲルホーン、バス・トロンボーン、アルト・フルートと珍しい形となってます。
ハービー・ハンコックの音楽家としての高い資質を垣間見れる作品だと思います。
おすすめ曲としてはアルバムタイトルにもなっている『スピーク・ライク・ア・チャイルド』
哀愁を感じさせる洗練された演奏を是非ご堪能ください。
ハービー・ハンコックおすすめ名盤④
大ヒット作でもあり問題作ともいわれる作品。
ブラック・ミュージックファンには愛されたけど古き良きジャズファンの中には批判する人もいたそうな…。
それだけ影響力があったということでしょうね~。
私自身もジャズファンですが、ハービー・ハンコックのおすすめとしてはやはりこの1枚を入れておきたいと思います。
おすすめ曲としては『カメレオン』を!
ハービー・ハンコックおすすめ名盤⑤
ビートルズやサイモン&ガーファンクル、プリンス等の名曲をジャズ演奏した作品。
もし現在でもジャズが流行っていたら…。
かつてのジャズスタンダード曲のように題材とされていたかも知れない曲を取り上げた訳ですね~。
バンドメンバーもハービー・ハンコックをはじめ、サックス奏者のマイケル・ブレッカー、ギター、ジョン・スコフィールドが参加する等、非常に豪華。
私見では子供の頃に音楽の授業でも聴いたことのあるサイモン&ガーファンクルの『スカボローフェア』が懐かしく、そして斬新でした!
まとめ
1960年以降、現在でも第一線で活躍され、音楽性も多彩な天才ミュージシャン、ハービー・ハンコック。
興味があっても「何を聴いて良いか、わからない」とお悩みの際は是非、本記事を参考にしてください!
以上、「ハービー・ハンコックおすすめ名盤5選【ジャズの垣根を超え、今も活躍する大御所】」でした!
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